DIARY:私のローマ / ジャスミンの花香る頃に その3

 

 

私のローマ / ジャスミンの花香る頃に その3

 

旅の二日目の午後。
滞在先に決めていた修道院の部屋へチェック・インしました。

 

 

 

イタリアには観光客が宿泊できる教会関係の施設がたくさんあって、
清潔な部屋と修道院ならではの安心感に魅力を感じ、今回はこちらを選択。

部屋にはTVもなく簡素ですが、
私はもともと自宅にも仕事場にもTVを持っていないので気になりません。
修道院の受付にいらっしゃるシスターは、
iMacやiPadを駆使して宿泊者の予約や観光のサポート。
数カ国語をテキパキとこなし、大変素敵な方でした。

 

 

 

バッチナ通りから見える、古代遺跡の列柱。

 

果物や日用品の買い出しに行った後、
夕方の散歩はバッチナ通り Via della Baccina からスタート!

 

以前、この界隈にあった彫刻家の Fabio Crisara 氏のスタジオに伺った時、
地下の古代遺跡の空間での”秘密”の展示も拝見させていただきました。
蝋燭で照らされた闇の中に古代遺跡の煉瓦やアーチが見え
そこにFabioさんの美しいブロンズ作品も展示されていて、
ローマらしいインスタレーションと、この街のスケールに圧倒されました。
イタリアの古都には、今でも地下に古代の街が眠っています。

バッチナ通りの突き当たりは
古代ローマ遺跡のアウグストゥスのフォロ・Foro di Augusto。
ローマ皇帝たちの築いたフォロの跡で、
美しいコリント式の美しい列柱が、通りから見られるほど近いのです。

 


アウグストゥスのフォロ・Foro di Augusto
トライヤヌスのマーケットとフォーリ・インペリアーリ博物館
休館日 :1/1、5/5、12/25
開館時間:9:30〜19:30(切符売り場は18:00まで)
12/24、12/31 は 9:30〜14:30
入場料 :14ユーロ(2016年11月現在)。
公式サイト → こちら


 

少し歩いて、久しぶりのフォロ・ロマーノ Foro Romano ♪
朝は雨模様でしたが晴れてきました。雨女なので嬉しい〜。

 

奥のイオニア式の列柱はサトゥルヌスの神殿・Tempio di Saturno の跡。古代ローマの聖なる地。手前の3本のコリント式列柱はカストルとポロックスの神殿・Tempio di Castore e Polluceの跡。

 

セヴェルスの凱旋門 Arco di Settimio Severo。手前のアーチの遠くに ティトゥスの凱旋門 Arco di Tito が見える。

 

満開のヒナゲシ。遠くに見える塔はミリツィエの塔 Torre di Millizie。先ほど通ってきたバッチナ通りのすぐ近くで、古代ローマ皇帝ネロがローマの大火をここから眺めたという民話も。

 

イタリア語でヒナゲシは Papavero パパヴェーロ。

 

雨上がりで風が強かったけれど、ヒナゲシを少しクロッキー(線だけでスケッチ)。描くことで旅の興奮から私らしい呼吸へ。

ローマの七つの丘のひとつ
パラティーノの丘・Monte Palatino も登りました。

 

パラティーノの丘も満開の花畑で迎えてくれた。

 

ローマには七つの丘があり、パラティーノの丘は最も古い歴史があります。
神話では、軍神マルスの双子のこどものロームルスとレムスが、
ここで鳥を数える鳥占いをし、ロームルスに軍配があがってローマを建国したとあります。
パラティーノの丘  詳細 →  イタリア政府観光局公式サイト

 

20歳代の頃、パラティーノの丘に月に2〜3回は来ていました。
その後、ローマを再訪しても、やっぱりまた来てしまいます。
こんなに風化されているのに品格があって、私にとって心の座標軸のような場所です。

 

古代ローマの貴族の邸宅跡。この丘にはアウグストゥスのお妃のリヴィアも住んでいた。

 

90年代に同じ場所で撮影した私。この頃は遺跡の中も自由に歩けた。

 

イタリアの カラス・ cornacchia  コルナッキアの羽根は黒と灰色。

 

 

フォロの一角、自生のハマナスか原種バラでしょうか?
根元にはアカンサスの花。

 

ハマナス or 原種バラと、アカンサスの花。

 

アカンサスの葉は古代ギリシャ以降、様々な装飾や文様に用いられています。
特にコリント式の柱頭の意匠はローマで発展したので、目にする機会も多く、
現代でもテキスタイルや家具などのモティーフで用いられています。
(もともとはヤシの葉という説もあり。)

また、古代ローマ人はバラを愛し
バラの花びらのシャワーを浴びながらの宴も催されたそうです。
アルマ・タデマの作品: The Roses of Heliogabalus   By Alama Tadema 1888

自生の原種バラとアカンサス。
何気ない風景ですが、数千年変わっていない景色かもしれません。
人々は植物と共にあって、時に愛で、成分を活用し、
イメージをひとつひとつ具体化して文化を築いてきたのですね。

 

空にはたくさんのツバメが舞い、歌っています。

 


フォロ・ロマーノ Foro Romano
休館日 :1/1、5/1、12/25
開館時間:8:30〜日没1時間前まで(季節により時間変更)
入場料 :12ユーロ(コロッセオと共通券)


 

 

 

散歩を終え、リオーネ・モンティ地区に帰りました。
マドンナ・デッラ・モンティ通り・Via della Madonna dei Monti のカフェがユニークです。
この建物の古い写真を見つけましたよ。→  こちら

 

ラ カセッタ La Cassetta、「小さな家」という名のプチホテル兼カフェ。

 

 

 

 

昨夜、ローマに着いたばかりなので無理せずに
マドンナ・デイ・モンティ広場・Piazza della Madonna dei Monti のカフェテリアで、
早めの晩餐、まずは、ジャスミンの花の下で冷えた白を。

 

スタージャスミンの花影で晩餐。

 

 

このカフェテリアのある広場は、
アメリカの映画監督 ウディ・アレン Woody Allenの2012年の作品
To Rome with Love(邦題 ローマでアモーレ)』にも少し登場します。

当初、監督は、『Nero Fiddled』という仮題をつけていたそうです。
古代ローマ皇帝のネロはローマが大火に包まれている時にも呑気に楽器を奏でていた、
大切なものが壊れようとしているのに、呑気にしている様を表しているそうです。
この地区はネロの宮殿跡の谷間にあって、ネロの名残を感じられるので面白いエピソード。

 

広場から滞在先の修道院の部屋に戻ると、
礼拝堂からのお香が上階にも静かに流れてきていました。
私にとっては心落ち着く香りです。

 


 

 

明日、旅の3日目は、
マッシモ宮殿・Palazzo Massimo と、
バチカン博物館のナイトミュージアムに行く予定です。

(最後まで読んでくださりありがとうございます)

つづく

私のローマ / ジャスミンの花香る頃に
目次

その1:リオーネ・モンティ地区での滞在
その2:国立古典絵画館(バルベリーニ宮)、リオーネ・モンティ散策
その3:滞在先の修道院にチェックイン、フォロ・ロマーノへ
その4:ローマ国立博物館(マッシモ宮)、夜のヴァチカン美術館へ
その5:ローマ国立博物館(アルテンプス宮)、親友と地元ごはん
その6:パンテオンに降る真紅の薔薇のシャワー、ローマ散策&スケッチ
その7:古代遺跡でピクニック&スケッチ、地元ごはん、ローマ散策
その8:ブラマンテの回廊で朝食、ローマの宮殿や遺跡で花のスケッチ
その9:カノーヴァのカフェ、ローマ散策&お買い物、ゲットー

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筆者:
望月麻里(もちづき まり)画家・イラストレーター Contact

清泉小学校、清泉女学院中・高等学校卒業。
東京芸術大学美術学部絵画科 日本画専攻卒業。
1994-1995年にアーティスト・イン・レジデンスでイタリア・ローマに滞在。

展覧会、グループ展出品多数、
東京、鎌倉を拠点に平面作品の発表を続けるかたわら、
料理家 辰巳芳子氏の著書の挿絵、絵本の挿絵、
Hallmark社のステイショナリーの原画を手がける。